jubeatという音楽ゲームをご存知だろうか?四角形の重なったようなフォルムをし、16個のパネルを備え、音楽に合わせて表示される個性豊かなマーカーを叩くゲームである。2008年7月24日、つまり今日から10年前にデビューしたアーケード用音楽ゲームであり、現在でも全国のゲームセンターで元気に稼働している。今回の記事では稼働10周年を記念してjubeatの歴史、そしてjubeatと共に歩んだ私の思い出を語っていこうと思う。長くなるがそれだけ私の中で思い入れの強いゲームであるという指標だと感じて欲しい。
- jubeatとは?
- 原点ながら異色の"初代jubeat"
- 一気にライトになった浮かぶ輪 "ripples"
- 全盛期とも言える栄華の織物 "knit"
- 名に偽りなしの夥しい貢ぎ解禁 "copious"
- 時間制限付きのコース料理のような大問題児 "saucer"
- 一難去ってまた一難 "saucer fullfil"
jubeatとは?
よくジュビートと間違えて呼ばれることがあるが、正しい読み方は「ユビート」でフランス読みである。そのため略称は「指」で、名の示すとおり指でパネルを叩く音楽ゲームだ。同社のbeatmaniaやポップンと違い見えた場所をそのまま押すという直感性が特徴で、今でこそスマホやタッチパネルでできる音ゲーは多いがjubeatが出た当初は非常に斬新だった。判定も旧来のBEMANIシリーズに比べて緩く、敷居が低い。そして収録楽曲もBEMANIシリーズとしてはまた画期的で、本人歌唱のライセンス曲が非常に多く収録されたのも特徴だ。また、BEMANIコンポーザーによる版権カバー楽曲も初期は数多く入っており、そのほとんどが版権料がかさむ超有名曲だったりする。これがjubeatがBEMANIのエントリーモデルとされている最大の理由である。では、ここからは二回に分けてjubeatの10年の歩みを振り返っていこう。
原点ながら異色の"初代jubeat"
初代jubeatの印象的な曲、譜面
- Snow Goose / Mutsuhiko Izumi
ロケテストの頃から存在するデフォルト曲のひとつ。甲高いシンセが響くどこかチープながらも爽快なスピード感のある楽曲で、ノリの良さから音MADでも人気があった楽曲だ。譜面としてはロケテ最難曲に恥じぬ強さで、赤譜面では片側に寄ったBPM200の16分交互押しなどで登場当時はレベル9、現在は8になっている。緩急の激しい譜面故にクリア難易度は低めだがスコアを詰めると並のレベル9と同等くらいに感じる難しさを持っている。
- IN THE NAME OF LOVE / Y&Co. feat.Erica
解禁曲のひとつ。Y&Co.は弐寺にて8th styleの頃からユーロビートを提供し続けている、まさにユーロビートのプロである。もちろんこの曲も王道なユーロビートで、譜面の楽しさも相まってとても好きな曲のひとつ。序盤と中盤にリズム難の乱打地帯があり、始めたすぐの頃は全く叩けなかったが今では余裕で繋がるようになっており、長い付き合いだからこそ成長を感じることのできる譜面である。
- Evans / DJ YOSHITAKA
もはやjubeatの代表曲と言っても過言ではないヨシタカの名曲。UK HARDCOREの流れをくみ、勢いがありながらどこか哀愁を感じる曲調で、多くのjubeatユーザーを魅了し、ニコ動を通じて非音ゲーマーを音ゲーの世界に引き込む役割を果たした。実は私もこの曲に憧れて音ゲーの世界にやってきた一人である。現在でもカリスマボス曲の立ち位置を守り続ける理由としてはもうひとつ、その譜面の難しさと美しさにある。最初のサビは緩めの同時押しで攻め、そのあとブレイク明けに徐々に加速するパネル全てを使った大回転、そして大サビでは最初のサビの配置に加えて四つ打ちのキックのリズムとシンバルのリズムが加わり大発狂する。リズムが分かっても押しにくさに阻まれスコアを伸ばすのに難儀するというまさにボス曲の基本を押さえた譜面というわけだ。
一気にライトになった浮かぶ輪 "ripples"
2009年、新しいバージョンになったjubeatは大きく様変わりしていた。ripple(リップル)は輪を意味し、白を基調とする明るいデザインにパステルカラーの輪が浮かぶというもので一気にライト層を受け入れやすいものとなった。インターフェースも現在の原形がこの時既に完成し、前作にはなかった98万点以上でSSS、満点でEXCELLENTというレーティングが追加された。欠点としては初代より楽曲の解禁に時間がかかるようになったことが挙げられ、所謂"貢ぎゲー"と言われてしまった事がある。また、このバージョンでは前作の楽曲追加アップデートを「APEEND(アペンド)」と称し、弐寺と連動企画があったりと新しい試みも多く行われた。また、jubeat史上初めてレベル調整が行われたバージョンで、前作で10と9だった譜面は一部を除きほぼ一律でレベルが1つずつ下がった。
ripplesと私
私がjubeatデビューしたのはこのバージョンの後半、ripples APEENDの頃できっかけは前述のEvansを初めとする様々な楽曲に惚れたことと、当時Twitterのフォロワー内でこのjubeatが流行して気になったことにあった。2010年5月のある日、jubeatの筐体を見ようと生まれて初めて自分の足でゲームセンターへ足を運んだが、もちろん始める気はなかった。理由としては私たち兄妹はかつて全員ピアノを習っていたが、自分だけ長続きしなかった過去があり、音楽的なコンプレックスを抱えていた。だから音楽ゲームにハマるなんて絶対にあり得ないと考えていた。無事に筐体を見つけてPOPを見ると知ってる版権曲がいくつかあり、そこで私の気持ちを揺らし始めた。そんな人前で筐体前に立ち下手なプレイを見せる事を極度に恥ずかしがった私の背中を押したのはフォロワーの一言で、私は思い切って100円を投入してプレイしてみた。もちろん反射神経の鈍さもあってレベル4の「凜として咲く花の如く」のBASIC譜面(以後緑譜面)で落ちるくらいだったが、この決断によって現在も最前線の「音ゲー」という新たな趣味が芽を出したのは間違いない。以後はこのripplesが終わるまで数週間に一度遊ぶ程度で、急速にのめり込むことはなくknitの時代を迎えた。
ripplesの印象的な曲、譜面
初代より全体的にライトな曲が増えた印象だが、コナオリの幅の広さは更に広がり様々なジャンルの曲が入るようになった。「情熱大陸」など有名どころからまだインディーズだった頃のUNISON SQUARE GARDENの「フルカラープログラム」等のマイナー曲までカバーする広さで、jubeatの版権センスの良さはこの頃から花開き始めた。譜面的に特徴のある版権曲としては瞬間発狂が凄まじい「バカサバイバー」、凄まじい配置難にして版権曲最初のレベル9「Kiss & Ride」などが挙げられる。前作では控えめな難易度だった版権曲が急激に強くなったのもこの作品からである。また難易度の話で忘れてはならないのがコナオリ曲の「隅田川夏恋歌」で、登場時レベル8だが赤譜面の発狂地帯が難解な同時押し(通称:濁流)があり、knitにて9に昇格。さらに次回作festoでは9最上位クラスの9.8に位置している。
- Good-bye Chalon / 猫叉Master+
私がjubeatデビューして真っ先に気に入った楽曲のひとつ。ジャズのようなオシャレさを感じる曲で、24分(三連8分のこと)の高速スライドがサビで襲いかかってくる。しかし割と簡単に光らせることができ、私がスライド譜面を好きになった要因のひとつである。後にリフレクビートに移植され、そちらでも24分トリルで牙を剥いていた。後にsaucerでこの曲が入れ替え対象にされた時は大激怒したくらいに思い入れの深い曲。
- ALBIDA / DJ YOSHITAKA
あのEvansの続編曲としてAPEENDから収録された曲で、偉大な兄貴分の影響でイマイチ影の薄い曲だが、私にとってこの曲は音ゲーにおける「癖」の恐ろしさを初めて教えてくれた曲だ。この曲のADV譜面(以後黄譜面)がクリアできず、私は初めて動画で譜面研究をしたのだが、その影響で譜面を覚えるどころか体が"押せないまま"覚えてしまい、何度やっても同じ所でミスを繰り返して結局クリアすることなく数ヶ月放置した。この譜面のレベルは7だが、レベル9がクリアでき始めた頃にようやくクリアできるようになった。この一件から私は譜面研究というものをあまりやらなくなり、持ち前の地力とテクニックだけで頭の中で覚えるようにスタイルを変えた。
タイトルは誤字ではなく意図的にこうなっている。ALBIDAと同じくAPEENDで収録された楽曲で、弐寺との連動企画で解禁できた。激しいスピードコアで実際のBPMは360だが筐体では180となっている。特筆すべきは赤譜面の難易度で、二作目の時点で967ノーツという抜きん出た物量でこの記録はsaucerまで抜かれることはなかった。それに加え凄まじいリズム難と左右分業やめ出張しなきゃ取れない配置のオンパレードで、私は今でもこの譜面が全ての楽曲の中で最低スコアである。初見こそ同程度と思う譜面が出てきてもすぐにコイツのスコアを抜き去ってしまう。昔からやってる故の癖もあり、Sに乗る日は来るのかどうか…。また、初の黄譜面がレベル9を記録した楽曲でもある。
全盛期とも言える栄華の織物 "knit"
2010年7月になり、第三作目となるjubeatが稼働した。knit(ニット)はニットセーターなどと同じく編むという意味で、その名の通り楽曲プレイでゲットした糸を使いシャツを編んで楽曲を解禁するという方式が取られた。カラーは黄色で、波打つ糸のようなものが目を引くデザインとなっており、システムBGMが前作までのものと大きく異なり、ジャジーで大人の雰囲気を醸し出していた。システムボイスが非常にダンディな男性ボイスだったことも大きい。自身の腕前の分かるjubility(ユビリティ)システムの導入や箱型のコンシェルジュによる選曲サポートなどもついてより初心者に分かりやすいゲームとなった。さらにAPPENDでは初の全機種合同イベント「APPEND FESTIVAL」が開催され、対象機種をやるだけで楽曲が手に入る手軽な連動イベントで、これによって多機種プレイヤーになった者も多い。楽曲のバラエティの豊かさも相まって歴代jubeat最大の人気を誇った作品でもある。
knitと私
今作からは真面目にやろうと意気込んでいたので、前作よりプレイ回数は大幅に増えた。始めてから数ヶ月して「襖マーカー」というマーカーに出会い使い始めた。これが大きなきっかけとなり、かつてできなかったレベル9、10を次々にクリアし着実に成長していった。ちなみに上記のripples時代の楽曲を解禁したのもこの頃の話である。そして迎えたAPPENDで行われた連動イベント「APPEND FESTIVAL」では初めてjubeat以外のBEMANI機種に触れ、その難易度に絶望したり新たにハマったりしたものもあった。knit稼働末期、ついに夢だったEvansをクリアし大歓喜したことは今でも忘れられない思い出である。knitは成長と出会いが詰まっていた時期なので非常に思い入れの深いバージョンとなった。
knitの印象的な曲、譜面
knitの譜面は全体的に「文字押し」が多い傾向があり「じょいふる」の巨大J押しや「銀河」のUFOを象った文字押し、「I'm so Happy」の1、2、I、S、H押しなど非常に個性的だ。版権でも同時押しが増えた結果物量譜面が全体的に増え、さらに「Kick it Out」の登場でついに版権レベル10が初登場したが、今作限りで削除されてしまい落胆するプレイヤーは多かった。印象的な版権曲としてはまだヒットする前のナオトインティライミの「カーニバる?」、サカナクションの「アルクアラウンド」や数作に渡って版権曲人気上位に居座り続ける「only my railgun」などが挙げられる。またknit APPENDでは名義が変わる前の世界の終わりの「ファンタジー」やあのキャッツアイの主題歌「CAT'S EYE」など先見の明が抜群の選曲に加え懐メロや「となりのトトロ」や「君をのせて」のトランスアレンジが収録されるなど幅広い守備範囲を誇った。コナオリ楽曲も相変わらず幅広く、弐寺で人気のSUPER STARのオンリーワンな書き下ろし楽曲や初代ぶりとなるY&Co.のユーロビートナンバー「Sweet Rain」やRyu☆のハッピーハードコア「I'm so Happy」などは特に人気を集めた。
- far east nightbird / 猫叉Master
前作のシャロンとは異なるクールさを持ったドラムンベースで、唸る低音と流れるような美しいメロディが印象的な楽曲。後に続編曲も2曲作られる人気曲となる。この譜面は私が最初にクリアしたレベル10、即ち最高難易度楽曲である。横スライドが多くクリアしやすいため”逆詐称”と言われ続けていたが、スコアを詰める段階になるとそこそこの強さを感じる楽曲である。長年レベル10の入門として親しまれたが今作clanにて9へ降格し、その役目を終えた。
- STELLER WIND / L.E.D.
APEEND FESTIVALで弐寺をプレイすることで解禁できる楽曲。未来感あふれるサイバーなハードダンスでノリの良いキックが特徴。特筆すべきはその譜面で、なんと弐寺によくある1バス*1を完全再現した譜面で左手で常にバスを刻みながら右手でメロディを押させるのだ。そして驚くべきはこれが赤譜面ではなく黄譜面の話で、赤譜面はというとこれをそのまま90度傾けた、つまり最下段横一列でバスを刻みながら上段2列でメロディを押させる超出張譜面となるわけだ。このあまりにも癖が強すぎる譜面は私を含め多くプレイヤーを苦しめ、挙句の果てには筐体の横側からプレイする者も現れたほどだった。しかしこの譜面のおかげで混フレ力が徹底的に鍛えられ、後にリフレクにこの曲が移植され、その譜面はjubeatと全く同じリズムで構成されていた混フレ譜面だったために同レベル帯で抜きん出て得意な譜面となった。そして現在弐寺で1バスを叩く譜面を多くやっているが、その根底にあるのはこの譜面で培った混フレ力であった。
- FLOWER / DJ YOSHITAKA
APPEND FESTIVALでREFLEC BEATをプレイすると解禁できた楽曲で、前作のALBIDAまでと変わってBPMが173と若干遅くなったトランスコア楽曲。この楽曲が解禁された日に公開された動画で放った作曲者DJ YOSHITAKAの「俺がついてるだろ」はあまりにも有名。しかしそれ以上にこの曲が有名なのはその収録機種の多さにある。当初はjubeatとリフレクでのみ遊べた曲だったがわずか数年の間にBEMANI全機種に移植され、さらに「天下一音ゲー祭」にてBEMANI代表として他社の音ゲーにも移植(太鼓、グルコス、チュウニ、maimai等)されたため、もはやFLOWERを遊べない機種のほうが少ないというレベルである。譜面に関しては非常にリズム難&リフレインによる繰り返しが多く癖が付きやすい物量譜面という厄介な譜面構成で、三連符の中速回転や後半の発狂などが非常に押しづらいためかなりの癖がついてしまい抜けきるのに数年を要したが、現在でもレベル10のスコア最底辺に位置するほどの苦手曲である。
名に偽りなしの夥しい貢ぎ解禁 "copious"
copiousと私
このバージョンは世間的には失敗作だが、私にとっては非常にインパクトのある作品となった。というのも、稼働して数日経ったある日に台風の中ゲーセンに向かいフォロワーとオフ会をしたのだが、その時にここだけチャレンジ(機種ごとにランダムでおすすめ楽曲が選出され、それは解禁してなくても遊ぶことができる)で当バージョンの最終解禁楽曲「HEAVENLY MOON」が選出されており、興味本位でやってみたら、私はその楽曲に一目惚れし「一日も早く欲しい!!」と強く願うようになり凄まじい勢いでお小遣いをつぎ込んだ。そうしているうちに前述の伝導専用解禁曲を1曲引き当てたことでとある人物とロカマチして残り2曲を分けてもらったり、コピオフと称してフォロワーと音ゲーオフ会を幾度となく開いたりと印象深い出来事がたくさんあった。また大夏祭りは少しだったがギタドラに楽しさを感じることができたイベントでもあった。実力もこのバージョンを通して二回りくらい成長し、ついにレベル9でSSSが取れるようになり、エアレイドをクリアしてレベル10の未クリアがなくなったのもこのバージョンからである。それと、今は残っていないがかつてi-revoでプレイ日記を書いていたのもこの頃。
copiousの印象的な曲、譜面
今作は難易度も知名度も若干控えめなラインナップが多く、なんとなくスタッフの趣味に寄せた気がする。中でも際立ったのが901ノーツという物量を兼ね備えながらもすごく楽しい同時押し譜面の「PRIME TIME」、ラップを忠実に押させる同社カードゲームアニメの主題歌「マスターピース」など。後にブレイクする[Champagne](現[Alexandros])やアルカラ、androp、きゃりーぱみゅぱみゅの楽曲をいち早く収録したのも相変わらずのjubeatスタッフらしい先見の明あふれる選曲だった。中でも三代目 J Soul Brothersの楽曲はよく選んだなといった感じだった。*3コナオリも初登場のMr.TやTЁЯRA、劇団レコードなどが珠玉の楽曲を書き下ろした。また、APPEND TRAVELでは初めてボカロの使われた楽曲が収録されたのも特徴。APPEND TRAVELではDJ YOSHITAKAの「JOMANDA」がジャケット、難易度、極めつけの十字型同時押しと絶大なインパクトをもって迎えられた。
- HEAVENLY MOON / Tatsh
- アルストロメリア / TAG
- Riot of Color / TAG
大夏祭りの最後に解禁される楽曲で、花火を意識したようなフュージョンで、アルストと違いギターが全面に押し出されている。この楽曲はコピオスの曲ではあるが実際にプレイしたのは次回作saucerになってすぐのことだった。理由としては上記のツイートでまっするが煽ったようにこのイベントは必要クレ数が多すぎてイベント終了までに間に合わなかったためだ。この曲はかっこいい曲はさることながら、譜面が非常に押しやすい乱打譜面で、とても楽しくて以後の私の好きな譜面傾向を乱打として確立させた譜面である。癖のついたアルストとは違いどんどん伸びてあっという間にSまで伸びた。レベルは10だが、現在でもアルストよりスコアが高い。道中は9でもいいくらい簡単なこの譜面が10たる所以は、ラストで24分(三連八分)の超高速乱打が襲いかかってくるためである。アルストで嫌いになりかけた乱打譜面を好きにさせてくれた、そんな思い出の一曲である。
時間制限付きのコース料理のような大問題児 "saucer"
saucerと私
名古屋という行ける場所でロケテストが行われた事もあり、一番最初にロケテに行った機種となった。そこで目にしたものは私はリフレクで大好きだった「quaver♪」の移植で、それはもう大喜びでロケテでもプレイした。この事から非常に期待していたsaucerだったが、いざ稼働するとモチベは相当揺れ動いた。前述のシャロンが消えた時はそれはもう怒り狂った。しかし削除曲で大会を開いたりと精力的にモチベを保とうとしていた。この頃は並行して弐寺やリフレクも同じ頻度でやっていたために「広く浅く」という印象になり、プレイ回数は少し減った。また、連動イベントの時は多機種プレイヤーとして参加できたためある程度楽することができたのも大きかった。この時期が最もマルチにいろんな機種を触っていた時代だった。
saucerの印象的な曲、譜面
とにかく曲が多く、毎月20曲前後増えていくためバージョンを通した収録楽曲数は過去のバージョンを凌駕する凄まじい量で1バージョンでここまで曲が増えた例は以後も存在しない。しかしその代わりに入れ替わりという名の削除があったことを忘れてはいけない。版権曲は布袋寅泰の「スリル」など有名曲からマイナー曲までの幅広いJ-POPからアニソンまで幅広くカバーしていた。また、LANAシリーズや魔法戦争、蒼き鋼のアルペジオなど特定タイトルとコラボして楽曲を追加する例も増えた。さらにスミスゼミナールというイベントではニコニコで人気を博すEXIT TUNE管轄のボカロ楽曲も登場した。他にヒットする前の星野源、家入レオの楽曲などもあり相変わらずの先見の明が感じられる選曲もあった。しかし「千本桜」がたった20日という超スピード削除を食らうなど事件もあった。一方コナオリは大量の移植曲を迎え、その選曲も初代drummaniaやキーボードマニアなどの楽曲や散々待ち望まれていた弐寺、ポップン、DDR、リフレクなどから新旧様々で多種多様な楽曲が移植された。そして忘れてはいけないのが「日向美ビタースイーツ」というコナミ主導のWeb連動型音楽配信企画とのコラボで、登場キャラの歌う楽曲がコナオリとして多数登場した。
- ZZ / D.J.Amuro
読みは「ゼッツー」。リフレクとの相互移植イベントで登場した D.J.Amuro(dj TAKAの別名義)のトランスナンバー。この名義は弐寺にてAやAA、そして冥やFなどカリスマあふれるかっこいい楽曲が多く、この名義を見た瞬間震え上がったのをよく覚えている。楽曲としては非常にかっこいいのだがリフレク側で三点トリル地獄やデニム譜面など凄まじい譜面をしていたためにイマイチ影が薄いjubeatのZZだが、アルスト以上の繰り返し譜面によるワンパターン乱打譜面でものすごくつまらない。スコアも全く伸びなくなってしまい現在もjubeatで嫌いな譜面TOP3に入るほど嫌っている。後に弐寺にデフォルト楽曲として移植され、PENDUAL現代汎用が付けられたが楽曲のイメージにものすごく合っていて稼働当初は「ZZ専用ムービーだと思った」という声が上がったことも。
- TSAR BOMBA / L.E.D.
2013年10月の新曲。ロシアの水爆の名を冠したL.E.D.氏にしては珍しいワブルの目立つドラムステップ楽曲で、ジャケットからは想像もできないようなあまりのかっこよさに一目惚れした。譜面も同時押し主体の地力譜面で私が得意な譜面傾向だったのもあってかスコアは10の中でも高い方だった。後にリフレクでも遊べるようになったが、弐寺への移植はまだなのかとずっと待っている。
- Beastie Starter / GUHROOVY
ripples以来となるGUHROOVYの楽曲で、KAC課題曲として登場した。暴力的なキックが特徴のかっこいいスピードコアで、BPMは380(筐体では190)と更に高速化していた。もちろん譜面は片手で八分を叩かせながら左右別々のリズムを刻む超高難易度譜面である。saucerはエアレの登場から長年更新されなかったノーツ数のインフレが始まったバージョンで、稼働時に「アストライアの双皿」が988ノーツを記録し、その数カ月後に登場したこのBeastie StarterでAC初の1000ノーツ、つまり4桁を記録した。*6この楽曲の登場後、saucer末期までに1021、1023、1044ノーツの楽曲が立て続けに登場したことで最多ノーツではなくなってしまったが、その難易度から今もなお最難関楽曲の一つとして君臨し続けている。しかしこの一年後、再びGUHROOVYによる新曲が登場し、その超絶難易度でこちらを空気にしてしまった。曲はこちらのほうが好きだが…。
- 黒髪乱れし修羅となりて / 村正クオリア
移植曲はここでは基本紹介しないスタンスだが、この曲は避けては通れないので紹介させてもらう。ポップンとの連動イベント「ミミニャミ・コタローのフライングキャッチ!」の移植曲で、ポップン18初出の和風メタル曲で、激しいドラムが特徴。この曲は初代で移植された「凛として咲く花の如く」の続編曲で、ボーカル曲だが歌合わせの箇所はほとんどなくドラムやストリングス合わせの演奏感重視の乱打譜面となっており、その楽しさですぐさま気に入って私の中でjubeatで一番好きな譜面として挙げられるほど。今でもたまにやるほど大好きな譜面。
一難去ってまた一難 "saucer fullfil"
fulfillと私
fulfillの印象的な曲、譜面
- Timberwolves / S-C-U
他の記事を読んだことがない方に紹介すると、私は狼という動物が大好きという言葉で片付かないほど大好きで、狼より好きなものはこの世に存在しない。それくらい大好きな動物がテーマの楽曲が出たらどうなるか…?それを体現したのがこの曲。knit APEENDのconconから続く動物テクノポップシリーズのひとつとして登場し、雪原を思わせるような美しさを兼ね備えた楽曲。実は私、過去にconconが出たすぐ、Twitterで「ショッチョーさん狼曲お願いします!!」とツイートしており、3年越しに叶った夢といえる。この曲により私の尽きかけていたモチベは大復活を遂げ、この曲をSSSフルコンしたらjubeatを引退するとまで言わしめた。譜面としてはスライドや上下振りなどが激しく、ブレイク前は強化版濁流のような配置まである立派なレベル10。解禁後すぐに緑と黄はエクセ済みで赤譜面もSSSまでは伸びたが1切りを過去にやらかしている。最近は癖がついたら怖いため月イチくらいの頻度でやるようにしている。
- FUNKY SUMMER BEACH / P*Light
Timberwolvesと共に登場した楽曲で、 沖縄を意識したハッピーハードコア。元気でノリの良い曲もさることながら譜面が非常に楽しく、サビの出張は押せると非常に快感である。このことからしばらくランキング上位に居座る人気曲となった。また、DDRにも移植されている。
- HYDRA / 96
稼働当初からある楽曲で、BPM270の高速クサメタル。メロディアスなサビが非常に気に入って評価が高い。譜面も8分乱打(BPMが早いので実質135の16分乱打)中心で押しやすくプレイしてて楽しいためお気に入りの楽曲のひとつ。登場時は10だったが弱めだったこともあってclanでレベル9に降格した。
- ドーパミン / U1 overground
シーズン2ラスボス楽曲で、BPM200の速さを誇るブロステップ。出張、スライド、混フレ、同時押しが目まぐるしい速さで襲いかかる総合譜面で、ノーツ数1077は現在でもAC最多ノーツである。むちゃくちゃ難しくてS乗せるのに苦戦していたが、前述のアルストよりも先にS乗ってしまっていたりもする。
記事が長くなったためここで一旦区切らせていただく。続きは明日公開予定