魔狼の黙示録

光り輝く天狼の庭に対を成す魔狼の深淵。招かれし者は魔狼の真の姿を刮目せん

jubeatの軌跡・後編 ~clanまでを振り返ってみた~

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jubeatという音楽ゲームをご存知だろうか?四角形の重なったようなフォルムをし、16個のパネルを備え、音楽に合わせて表示される個性豊かなマーカーを叩くゲームである。2008年7月24日、今から10年前にデビューしたアーケード用音楽ゲームであり、現在でも全国のゲームセンターで元気に稼働している。今回の記事では稼働10周年を記念してjubeatの歴史、そしてjubeatと共に歩んだ私の思い出を語っていこうと思う。長くなるがそれだけ私の中で思い入れの強いゲームであるという指標だと感じて欲しい。

 

 

この記事は後編にあたるため、先に前編を読んでから当記事を読むほうがより理解がしやすいだろう。前編はこちら

iwolferirpt7.hatenadiary.com

 

革新という名の黒歴史 "prop"

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2015年、saucerという黒歴史を抜けた先に待っていた七作目はどこかで聞いたことのあるような名前のバージョンだった。赤と青のランページ水玉が浮かぶシンプルで可愛らしいデザインの今作の新要素はなんと言っても「ホールドマーカー」で、ついにjubeatに長押しが実装されてしまったのである。

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しかもこれが非常に見づらく、線がマーカーの上を通るため非常に邪魔な仕様となっていた。慣れない操作に戸惑って全然楽しくないと思う譜面が数多く登場した。ホールドマーカーは新曲の他に過去楽曲に[2]と付け加え別曲として登場するものもあり、次回作以降も増え続けており結構な曲数となっている。システム面ではjubilityが消え、ripplesのようなレベルアップ形式の「step」が登場した。これは特定のステップまで行くと上限解放の「UNLOCK CHALLENGE」という言わば課題曲のようなものに挑戦することになる。アンロックチャレンジを乗り越えて上達を実感するというシステムだが、一部課題曲がレベル不相応なものがあり「難民」になる初心者もいたらしい。今作の新曲はstepを上げないと解禁できないため、不満も多かった。fulfillほどではないがそこそこ解禁に時間がかかるのもマイナスポイントだった。また、コースモードの代わりにアリーナモードというものが追加され、毎週変わるアリーナコースをプレイするだけで翌週その新曲が解禁できるという企画が10週に渡って開催され、非常に好評だった。そしてもう一つ、称号パーツとは別に「EMBLEM」というシステムが追加された。楽曲のジャケットを模したノーマルパーツから書き下ろしのSPパーツまで様々で、プレイ後に貯まるポイントで引くことができる。もっと引きたい人は公式サイトでPASELI消費でも引くことができるいわゆる「ガチャ要素」だが、コレクション程度のものなのでゲームには影響しない。

 

propと私

久しぶりにロケテストに参加したバージョンだったが、ホールドマーカーの見づらさと後述の「Too Late Snow」のホールド譜面の酷さに失望してロケテノートに文句を書きまくった。しかし稼働してもホールドマーカーは仕様が変わらず、見づらいままでまたしてもモチベは高くなかった。同時期に飽きていた弐寺のモチベが非常に高くなったこともあって序盤のプレイ頻度は控えめで、さらに2015年5月からは遊戯王にハマって音ゲー自体を丸一ヶ月放置するほどだった。そんなモチベの低いpropの状況を打破したのが9月のアリーナモードの登場で、この時期弐寺に飽きたのと毎週新曲が追加されるとあってモチベはぐんぐん上がった。その後はやや下がりながらも平行線で、翌年のQubellへとつながっていく。

propの印象的な曲、譜面

版権曲のラインナップが一新され、ついにニコニコで人気の東方アレンジが収録されるようになった。傾向としてアニソンの比重が増え始め、J-POPがやや少なめになった事は少し残念だった。しかしパスピエ「MATATABISTEP」や紅白で話題になったドラゲナイことDragon Night、社会現象を巻き起こしたアナ雪の「Let it go」のカバーなどツボを抑えた楽曲がちらほらあった。他にBEMANIと東方のコラボでBEMANIコンポーザーによる東方アレンジ楽曲が数曲追加された。一方でコナオリは移植楽曲がめっきり途絶えてしまい、新曲中心となったが非常に良曲揃いである。

  • glacia / DJ TOTTO

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  リフレクに登場した「Valanga」の続編曲となるアートコア。氷河をイメージした綺麗なジャケットでひときわ目を引いたが譜面はなかなかに難しい。新曲でありながら通常版とホールド版の2つが存在し、ホールド版は当初ホールドを捨ててS乗せるなど徹底的にホールドを捨てる姿勢でプレイしており、普通の押し方に慣れるまでかなり時間を要したが現在は通常版と共にSSまで伸びている。押し方が分かるたびに楽しくなるスルメ譜面の代表格。ちなみに通常版赤譜面は稼働当初無理押し(手が相当大きくないと押せない配置、四隅押しなど)が存在した。

  • Slluuddggee / Hommarju

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読み方は「スラッジ」。ヘドロという意味で実際ドロドロベチャベチャした音使いのドラムンベース(?)に仕上がっている。アリーナモードで登場した楽曲で、この曲の最大のポイントはソフラン(音ゲー用語でBPMの加減速の事)にある。遅くなったり早くなったりを繰り返す。譜面もそのソフランに乗って加減速しながら同時押しや片側16分などトリッキーな展開を繰り返す地力譜面となっており、初プレイでそのあまりの楽しさに惚れて一般解禁が待てずにアリーナを数周したほど。慣れた結果978000ほどまでスコアが伸びてもう少しでSSSというところまできている。最後の蛇行16分が押せれば行けそうではあるがなかなか厳しい。  

 

  • Too Late Snow / movies(moimoi × Xceon × Dai.)

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  私がホールド譜面を嫌いになった元凶とも言える楽曲。Xceon作曲の歌ものトランスで、曲の人気は高い。通常版とホールド版が存在し、通常版はstep解禁で最初の方に出てくるレベル9の楽曲で、こちらは特に問題はない。問題はホールド版で、ロケテストで登場したのにも関わらず稼働末期の頃にアリーナモードで解禁することとなった。この赤譜面はなんと「ホールド版緑譜面と黄譜面をそのまま足した譜面」となっている。別の難易度の譜面をそのまま足して赤譜面にするという前代未聞の譜面構成だったために片手でホールドしながらもう片方の手でBPM138の16分乱打を叩かせる地帯が多発するという凄まじい譜面となっている。やりたかったことは分かるがやりすぎてしまった糞譜面という印象で、ロケテストでこの曲をやったがために長いことホールド譜面を避けていた。今でも嫌いな譜面TOP5に食い込むほど。

 

箱に眠るはケモノの屍と新種のハチ "Qubell"

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2016年、ガルパン4DXを見に行ったらちょうどその日が稼働日だった第八作目がこちら。初めて大文字から始まるバージョンで、Qubeの名の通り箱がテーマ。そもそも筐体が箱だろとか突っ込んではいけない。今作の解禁はガラスのような透明な箱を掘り進めて楽曲を解禁するもので、掘り進める途中には岩盤と言う名のKEY CUBEなるものがある。これをどけるためには課題曲をこなさなくてはいけない上に、楽曲解禁には前作にもあった「UNLOCK CHALLENGE」が待ち構えている。前作よりは簡単になったのでそこまで支障はなかったが、箱を掘るのが最初はテンポが悪く、しかもドリル音が非常にうるさかった。後に改善されたが、解禁はまだ他の問題もあった。ひとつが期間限定コースというものが乱発された。期間中じゃないと掘れないコースで、内容は他機種からの移植曲(ただしplusからの流用が大半)+新曲、さらにアニメタイトルとコラボしたものや実質的なボスラッシュキューブまで多彩で、最終楽曲まで解禁するのには短い期間でそこそこ貢ぐ必要があった。売上のためには仕方ないのは分かるが、復刻まで結構掛かるのが難点だった。解禁システムは難しいことを考えずにちょっと課題曲を混ぜ込んでやるだけで解禁できるため、余剰分のエネルギーを次に掘るコースに持ち越しできない事以外は不満は特になかった。また、ホールド譜面の表示が変わり、後発のjubeat plus仕様になったため線がマーカーより下になり見やすくなった。

 

Qubellと私

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このバージョン中はほとんどモチベが上下することなく安定していたため、良作判定だと思う。ただ、安定しすぎていたために期間限定解禁が肌に合わなかったというのもある。ホールド譜面との相性は相変わらず良くならず、今作の最後にやってきたBeatStreamからのサルベージ移植曲Sky High」の黄譜面があまりにひどすぎて台パンしかけるほど激しい怒りをぶつけたこともあった。もはやjubeatでやっていい譜面の領域を超えるほどのホールド乱舞に呆れ返ったのだ。幕引きこそ最悪だったが今のclanを経験すると相対的に神作に思えるほど安定した作品だった。

 

Qubellの印象的な曲、譜面

版権曲はさらにアニソン、東方寄りになり食傷気味になってきたのがこの頃。その中でも凄まじく時代遅れな「けいおん!」と「らき☆すた」のOP収録は今が一体何年なのか分からなくなる混乱を呼んだ。J-POPはというと水曜日のカンパネラサカナクション新宝島、そしてオレンジレンジ「SUSHI食べたい」やピコ太郎のPPAPまで収録されるフットワークの軽さと選曲センスはまだ健在だった。特に気に入ったのが米津玄師の「翡翠の狼」で、タイトルホイホイと楽しげな曲調とノレる譜面で今作のベストオブ版権に認定した。一方コナオリは前作が嘘のような移植ラッシュで、前述のglaciaの兄貴分のValangaやplusの移植曲パックから厳選した楽曲2曲ずつなど幅広い。が、一番印象的なのは「Beat Stream」(以後ビースト)からのサルベージ移植だろう。ビーストは歴史の浅い音ゲーで、あまり人気が出ずに2017年に稼働を終了した。筐体はノスタルジアという別のタイトルに使い回されるため、避難先としてビーストのオリジナル楽曲がjubeatに一斉に移植されたのである。その数なんと25曲で怒涛の楽曲追加が行われた。
 
  • RHYZING BEAT / PHQUASE

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通常解禁曲として用意されているPHQUASE(フカセ)のハードコア楽曲。フカセは今までリフレクや弐寺で低クオリティな楽曲ばかりを出してきたためこれも当初はそこまで評価していなかったが、聴き込むとかなり好きな曲となった。更に譜面が楽しく、心地いいミニスライドが多発し、ホールドも少なめなため非常に気に入った。  

 

  • Glitter Flatter Scatter / Project B-

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真っ黒な暗幕を、色とりどりの羽根で飾る。
飾った姿を、皆が称賛する。
こんな姿になら、誰でもなれる。
皆が好みそうな羽根を張り付ければいいのだから。
  
ほら、これがお望みなのだろう?
弐寺で奇怪な楽曲を提供し続けた謎の人物による新曲。一説にはakhutaだと言われている。特設サイトまで用意され、カウントダウンで登場するという鳴り物入りな楽曲で、通常キューブの一番最後に出てくるまさしく今作のラスボス曲。曲コメントから察するに過去のjubeatのボス曲をメタったもので、曲調を意図的に似せている箇所が多く見受けられる。譜面は最強クラスの難易度で、出張や高速乱打、ホールド拘束がえげつなく絡むものとなっている。稼働末期までになんとかSに乗せる事ができたがそれ以上は伸びていない。
 
  • Megalara Garuda / SYUNN

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弐寺「Don't Stop!」という楽曲がある。この曲はSP、DP譜面が全て同じ☆4である。しかしこれは昔の楽曲だから今とは少し事情が違う、そして弐寺は☆12が最高難易度であるからそこまで驚きもしない。ではどうだろう?
もし全譜面がゲーム中最高難易度の楽曲が登場したら…
このありそうでなかった事例を体現した結果がこの曲である。別名義かと思いきや完全新人のSYUNNが送る攻撃的なドラムステップ楽曲で、楽曲のインパクトもさることながら最も脅威なのは「緑~赤譜面までが全て最高難易度の10である」ということ。この曲以前、緑譜面の最高難易度は7だった。しかしこいつは8、9を通り越して10という最高難易度に緑譜面を置いてしまった。音ゲー史上初の出来事で最初は誰もが目を疑った。譜面傾向としては緑譜面はホールド控えめな物量譜面で黄、赤よりもノーツが多い。黄譜面は緑より若干ホールドが増えて拘束が増えている赤譜面は拘束に加えて出張が多発する配置難譜面で非常に難易度が高い。Sに乗せるまでしばらくかかるほど苦戦させられた。ちなみに次回作festoのロケテ段階の難易度で10に小数点が出るようになりようやくこの譜面の真のレベルが明らかになった。(緑が10.4黄が10.5赤が10.7)
 
  • にゃんのパレードマーチ♪ / DJ TOTTO feat.にゃん

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移植は基本話さないようにしたいところだが、この曲は語らせて欲しい。 つーかビースト消えて今は指の曲だしよくね?TOTTOの送る変曲が豊かなマーチで、癖になるボーカルが特徴。そしてもう一つ、この楽曲はメインメロディを繰り返すシンプルな構成だが、徐々にアレンジが変わっていくのだ。イントロはラジオのような音ノイジーな音源から始まり、キックの目立つサウンド、そこから突如バンドサウンドっぽくなり、オーケストラ風チップチューンと目まぐるしく曲調が変わり、最後のサビはキックに厚みが加わり、チップチューン風にフィニッシュするという見事すぎる楽曲構成が非常に気に入っているのだがあまり人気がない。譜面も軽めの出張が多くやってて楽しい良譜面である。この記事を読んだ人へ、ぜひこの曲を聞いてもらいたい。個人的TOTTOの最高傑作まである楽曲だと思う。  

 

空でやれと言いたくなる間違いを犯した場違いな街ゲー "clan"

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去年稼働した9作目で、執筆段階では現行作。正直言おう…

削除込みのsaucerとタメを張るレベルの黒歴史ゲーだと

まず何がダメってほとんどが楽曲解禁システムにある。今作はプレイヤーがランダムで4つある街に属すことになる。

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レッドベルク、シアントル、グリネシア、プラムパークの4つの街が織りなす世界観
そして楽曲プレイによるマッチングで出会った町の住人からOMIYAGEをもらい(もらうというより某ハンティングアクションのように相手から剥ぎ取ると言った表現のほうが近いかもしれない)それらを集めてショップで楽曲と交換するというどこかの古戦場から逃げられないソシャゲみたいなシステムである。このショップというのがノスタルジアの移植曲(plusのパックの使い回し)、ミュゼカの移植曲(左に同じ)、他機種からの移植曲(左に同じ)などいくつかあり、前者2つとひなビタショップはまたしても期間限定である。交換で使うOMIYAGEはカラーごとに4つグレードが有り、下位OMIYAGEはいくつか集めるとチェンジャーで上位グレードにすることができる。しかしこのレートが凄まじく重く、もちろん運が良ければ上位グレードのOMIYAGEももらえるのだが、マッチングで手に入るOMIYAGEの大半が最下級グレードなのでゴリ押しで交換だけして解禁しようとすると過去作のどのバージョンをも上回る重さを誇る。これを緩和するのが「デイリーボーナス」というもので、一月ごとに14日分あり、毎日初回プレイごとにもらうことができるもの。後半には上位グレードのOMIYAGEがあり、解禁を大きくアシストしてくれる。要はソシャゲのログインボーナスのようなものだと思っていただければいい。だがここまで書いてなにか違和感に気づかないだろうか?( ゚д゚ )彡そう…
これはソシャゲではない、jubeatだ。
ゲーセンで遊ぶゲームだ。
家でエアコンの下で涼みながらできるゲームではない。
一ヶ月に14日もゲーセンに行ける人なんてそう多くはない。私みたいに週2くらいでガッツリやり込むようなタイプの通い方をする人にとってこの仕様はマイナス以外の何物でもない。それに毎日通えるような近所にゲーセンがあるとは限らない。世の中には最寄りのゲーセンまで車で40分かかるような場所に住む人だっているわけだ。どうだろう、あまりにも地方を蔑ろにしていないだろうか?この仕様のせいで一日数クレやるのは無駄という風習が強くなりゲーセンのjubeat人気はQubellに比べ確実に落ちたのは間違いない。特に虹色のOMIYAGEは最下級グレードですらマッチングで落ちるのは極稀でほぼログボの後半でしかゲットできなかったため、解禁が停滞するプレイヤーが続出した。更に問題なのが街システムで、この街は最初に決められた街から移動ができず、しかも街対抗戦というどこかの逃げてはいけない古戦場みたいな戦いも繰り広げられた。課題曲フォルダが設定され、わずか数十曲の中から曲を選び続け、しかも毎日ログボをもらう程度ではとても間に合わないような短期間で最高十数クレ以上貢げないと解禁できないという厳しい条件が課せられた。この対抗戦の勝敗により最後にもらえるOMIYAGEの量が変わるのだが、赤の街「レッドベルク」は全勝し、他の街は全て1度しか勝っておらず、後半の楽曲の解禁が遠のいた。一人の力ではどうにもならないので、これも強い街に属せなかった運の悪さからくるものである。
落ちるOMIYAGEの比率、属した街、最寄りのゲーセンへの通いやすさ…全てが”運”に左右される解禁なんてあっていいものだろうか?
後期にはeアミュアプリによるホントの意味でのログインボーナスが始まり、さらに交換レートの緩和も行われたがあまりにも遅すぎた。こんな良いことなしのclanにももちろん評価点はある。knitからQubellまで一度も行われなかったレベル修正を全面的に行い、逆詐称曲の多くが降格し正当なレベルをつけられるようになった。もちろん一部レベルのおかしい楽曲や昇格がなかったりと若干の粗は残るが、英断だったと評価する。また、楽曲別マッチングを実装したことにより旧曲、一部新曲の伝導がスムーズに行えたのは良かった。*1

 

clanと私

上記の通り、解禁システムが悲惨なためモチベは非常に低い。ゲーセンに行っても1クレしかやらないことからログボだけをもらい続けるソシャゲの人達がよく称する「ログイン勢」という言葉をそのまま自称するほどモチベは低かった。だが良いこともある。同時期にリフレクの転生したリフレシアが稼働終了しそうになり、jubeatがこのザマでやりたいゲームがなくなってしまい、何をしにゲーセンに行こうか迷った結果PENDUAL以来3作ぶりに弐寺に復帰した。現在は弐寺5クレ指1クレの比率で続けており非常に楽しい。皮肉にも今の私にはもうjubeat勢を名乗るほどのモチベは残されていなかったのだった。次回作、果たして奇跡の復活を遂げられるのか…
ただ、東京旅行中に当時伝導され始めた「Roll the Dice」を2クレで引き当ててやると宣言してホントに2クレで引き当てて、一緒にいたフォロワーに伝導してあげたら曲をすごく気に入ってくれたのはlapixファンとして嬉しかったという思い出があった。

 

clanの印象的な曲、譜面

今作のもう一つダメな点として「版権がアニソン、ボカロ、東方アレンジしかない」ということ。knit時代からjubeatで選ばれるJ-POPで隠れた名曲に出会ったりしていたのが今作でついに途絶えてしまったのである。別にアニソンや東方アレンジにいい曲がないとは言っていないが、ひとしきり聞いてみてツボるものはほとんどなかった。人気を博したけもフレOPのジャパリパークや、個人的に好きな米津玄師のピースサインを持ってきたことは評価するが、バランスの悪さが異常なので次回作は改善して欲しい。一方でコナオリはplusの使い回ししかない移植曲を除き、非常にクオリティが高いオリジナル楽曲が数多く揃っている。ただ気になる点として今作は異常なまでにBEMANIアーティストの書き下ろし楽曲が少なく、過去作で皆勤だったコンポーザーの参加も途絶えてしまっている。理由として考えられるのはこのclan製作時はBEMANI部門がコナミデジタルエンタテインメントからコナミアミューズメント管轄に変わる時期だったため、制作現場がごたついていたのだと予想している。次回の記事で語るBEMANI Sound Team問題」もこれらに帰依するものだと推測している。また、稼働終了したミライダガッキや開発中止になったおといろはの楽曲が移植されていることから前作のビーストサルベージも含め「共同墓地」と言われることもあったりする。
 
  • Passion / KAN TAKAHIKO

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  PACKAGE 03の楽曲。街のモデルはグリネシア。今作の楽曲は4つの街それぞれがテーマの楽曲が多く、バラエティに富んでいる。ソフラン付きのトラップ風な曲で特徴的な声ネタとどこかトロピカルなリズムと音ですごくノレる楽曲。譜面は3つ押しや若干の出張があるが10弱で、全面的に難易度を見直したはずでは…?と疑問を抱いたが非常に楽しい譜面なので問題はない。妥当ではないレベルの話も次回作festoにて9上位に降格したため問題はなくなった。ところでこの曲、festoで出ても違和感がないと思う。

 

  • Wowie Zowie! / Hommarju

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街対抗戦第一回の解禁曲。モデルはまたもグリネシアで、インドのガルーダっぽい顔が見える事から東南アジアらへんのテイストを感じる奇才Hommarjuの本気が見られるトラップっぽい楽曲。そもそもグリネシアってグリーン+インドネシアなんじゃないの?BPMが128と非常に遅いのだが24分の蛇行スライドが多発するため非常にスコア難で10最上位クラスの譜面。難しいが非常に楽しく、解禁してないことを悔やんだくらいの曲。  

 

  • Last Dress / はるなば

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  PACKAGE 05の楽曲。モデルはシアントルで、ジャズっぽいオシャレな楽曲。今作でもトップクラスに好きな楽曲なのだが、低いモチベのせいで解禁に相当な時間を要し、さらに譜面がホールド地獄だったことで初見ギリギリSという危ないスコアだった。譜面に関しては嫌いだが曲は好きという困ったタイプの曲。サントラさえ出ればヘビロテすると思う。

 

  • Northern Wind / Nhato

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弐寺で過去に「Star Trail」という楽曲を提供し「うっわなにこれ最高!」と私に言わしめ、その数作後に「Beyond the Seven」で「神曲しか作れないのかよこの男は!!」と言わしめたNhato氏が満を持してjubeatにやってきてそれはもう大歓喜した。トランス世界一の男が放つシアントルが舞台の渾身のトランスは、やはりエモくて爽やかで最高だった。今後もずっとトランスを提供し続けて欲しい…。
と、曲が良すぎて譜面のことを忘れそうになったが、譜面は左右別々のリズムを刻む王道混フレで、ホールドまで絡むのでなかなかにリズム難となっている。
 
  • Couleur=Blanche / #FFFFFF

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  かつてボス曲を提供していたDJ YOSHITAKA。彼はその経営手腕から部長に昇進し、現在はBEMANIを管轄する多忙の身となって楽曲を書く暇がなくなってしまった。saucer以降VENUS以外で途絶えた彼の楽曲提供だったが、Qubell時代に流星フェスタというイベントで「Triple Counter」という楽曲をdj TAKAと共に提供し、弐寺などのムービーとその曲調からこれが最後のYOSHITAKA楽曲だと感じ涙を流した者もいた。が、

今作の最終解禁曲にてYOSHITAKAは帰ってきた。弐寺で何度も共闘し、初代jubeatを支えたRyu☆と共に…。それがこの曲である。クーラーブランシュと読むらしく、名義から分かるように「」がテーマである。若干ワブルっぽい前半から白龍名義っぽいアートコアをベースにパッケージ5の楽曲がソフラン地帯にマッシュアップされて、サビは在りし日のハードルネッサンス風メロディとFLOWERで流れたギュイーーーンという音が入るものとなっている。登場時は作曲者不明だったがEDP2018にてYOSHITAKA、Ryu☆の二人が流したため確定した。譜面はまだ見てもいないしプレイしてもいないので感想も書けない。この曲の解禁手前でストップしている状況で、このまま救済が来なければ次回作まで解禁することはできないであろう。

 

jubeatのミライ

後半はちょっと文句が多くなってしまったが、文句を言うのすら嫌になったリフレシアに比べたらまだ文句を言いたくなるほど期待しているという風に捉えて欲しい。実際失望しても引退に至っていないので、私は結局の所jubeatなしでは生きられない身となっているのだ。好きだからこそこんなシステムは嫌だとか、こんな曲欲しいだとか言いたくなるのである。かつてほど高いモチベはもうないが、プレイしていて快感に感じる曲、譜面がそこに有り続ける限りどんなに少ない頻度になっても必ずプレイしに行くゲームという立ち位置にいる、それが今のjubeatである。今後も魅力的な楽曲、譜面を提供し続けて欲しいし、私の知らない隠れた名曲もたくさん教えて欲しい。そしてそれらを100%気持ちよくプレイできるためのシステムを整えて欲しい。これが今後のjubeatに望むことである。
 
最後に次回作festoの話を少ししよう。

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かつてない黄色いデザイン
festoはエスペラント語「お祭り」という意味で、トロピカルなデザインでどことなく今作のグリネシア感がある。また、10周年記念バージョンとして制作されているとのこと。システムが大きく変わり、jubilityが復活しそれはまるでギタドラのスキルレートのようなものになった。jubilityの数値で名前の色が変わる点も同じだ。説明するとややこしくなるので公式のツイートを貼っておこう。画像で見るのが最も分かりやすい。

 

さらに10、9に小数点が付くようになり弐寺の非公式難易度のようなXX.yのような表記になる。これにより細かなスコア埋めができるようになりモチベの上昇には確実につながっている。ロケテ段階ではそこそこ粗が目立ったが、稼働時に数値が変わってる可能性もあるので掲載は控えておく。ロケテ段階での最高値は10.8となっており、10.9は新曲用のスペースと思われる。他にHARDオプションなどがデフォルトで追加料金無しで使えるようになったのは遊びの幅を増やす取り組みとして高く評価したい。
楽曲も非常にクオリティが高く、特に三代目J Soul Brothersの大ヒット曲「R.Y.U.S.E.I.」を手がけ、弐寺にて人気を博しているMaozonが初参加することになっており、私は非常にテンションが上がった。ロケテでも早速プレイしてきたが赤譜面は8にしてはちょっと強く、9でもいいのではないかという難易度で、9.2くらいが妥当と思われる。楽曲はMaozonお得意のエモいアップリフティングトランスだったのでサントラの発売が今から待ち遠しい。他にHommarjuの「Sahara」はスラッジ路線のソフラン搭載で非常に面白い譜面をしていた。また、クソアニメで有名なポプテピピックのOPも収録され、レベル10.0ということで脚光を浴びた。プレイしてみた感じではだいたいレベル相応で、道中クソフメンの文字押しがあったりとふざけていて面白かった。中指は流石に駄目だったか…
festoの稼働日はまだ未定だが、システムデザインが夏真っ盛りなので、可能ならば夏が終わるまでには稼働してもらいたいところである。未知なる10作目、festoがclanの二の舞にならない事を祈りながら今回は筆を擱くとしよう。長い記事になったが、ここまで読んでくださった方々には感謝している。本当にありがとう。では最後に改めて…
 
jubeat10周年おめでとう!!

 

*1:実は前作Qubell末期に試験的にこの楽曲別マッチングを実装し、好評だったことで実装された